紫外線

 紫外線とは

 紫外線は電磁波の内、波長が0.1〜0.4マイクロメートルのものです。 また、これより長い波長になると、紫色の可視光線等になります。 つまり、紫外線は光と同じ電磁波で、より波長の短い電磁波だといえます。

 波長が短い場合、それはエネルギーが高い事を示しています。 そして、物質に電磁波が当たると、そのエネルギーの一部が物質に吸収され、波長が短くなります。 例えば可視光が地面に当たり、反射されると、より波長の長い赤外線になります。 また、その失われたエネルギーは物質の熱(振動)エネルギーとなります。 例えば太陽光が当たった部分の温度が上昇するのは、 紫外線や可視光等のエネルギーが物質のエネルギーとなるなからです。

 紫外線が及ぼす影響

 例えば、紫外線が原子に当たると、原子から電子を1つ引き離してしまいます。 原子は陽子(+)、中性子(+-)と、電子(-)から構成されており、 これらが全体では中性な状態が安定している状態で、 不安定な状態の原子は他の原子から電子を奪おうとしたりします。 紫外線によって電子を奪われた電子は、 この不安定な状態になり、他の電子の電子を奪おうとします。 これによって他の正常な原子も不安定な状態になる、 つまり破壊されてしまいます。

 紫外線と人体の関係

  皮膚が過剰に紫外線に被爆すると、まず皮膚の色素沈着が起き、 さらに強い紫外線を長時間浴びると、皮膚癌が発症します。 さらに小動物においては、人工的に極端に大量の(つまり地球上ではありえないほど)紫外線を、 実験的に照射すると、数日で死亡するという実験結果もあります。

 例えば一番オゾン層が進んでいるオーストラリア等においては、 皮膚ガン、白内障等の増加が深刻な問題になっています。 また、オーストラリア政府は、夏冬問わず、長そでサングラス等をしていないと、 皮膚があれたり、皮膚ガン等になることがあると、警告しています。 例えば、小学生は長そで長ズボンにサングラス姿で登校し、 プールには干さしがついています。

 より具体的には、紫外線は細胞中のDNAを破壊します。 この場合、アポトーシス(DNAが修復不能な場合に自身を殺す細胞の機能)が正常に働かない細胞になってしまい、 最悪の場合、白血病を含む癌発祥の原因となります。

 とくに目は、人間の体の中で最も電磁波に敏感で、 紫外線の影響をもろに受けます。 なぜならば、光つまり可視光線も電磁波の一部であり、 目はこれを取り入れる唯一の期間であるためです。 例えば近年、コンピュータのCRTディスプレイ(ブラウン管)によって目が悪くなる原因は、 実はCRTから放射された紫外線が原因なのではないかということが言われています。




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